「IFFT 2023 東京国際家具見本市」は、コントラクト家具やホームユース家具を中心に上質な空間デザインを提案する、家具・インテリア専門の展示会です。当協会は、公益目的事業のインテリアフェスティバルとしてコンテスト受賞作品のパネル展示等に加え、主催者展示企画として「ジャパンプレミアム ファニチャー・コレクション」を共催により開催しました。
会場では、令和4年度「住まいのインテリアコーディネーションコンテスト」および「キッチン空間アイデアコンテスト」への数多くの応募作品の中から、「住まいのインテリアコーディネーションコンテスト」は経済産業大臣賞など17点、「キッチン空間アイデアコンテスト」はインテリア産業協会会長賞など23点、合計40点の受賞作品を展示しました。
そのほか、会員企業を中心に新商品情報を発信するブース展示も実施しました。
「住まいのインテリアコーディネーションコンテスト」は、ライフスタイルへの洞察に溢れ、時代性を上手に取り込んだインテリアコーディネーションを表彰するコンテストです。また、「キッチン空間アイデアコンテスト」は、キッチンへの生活者の興味・関心の高まりや使いやすい快適なキッチン空間の普及を目指して、キッチン空間に関するアイデアを込めた作品を募集するコンテストです。
主催者企画展示「ジャパンプレミアム ファニチャー・コレクション」を、一般社団法人日本家具産業振興会、日本経済新聞社との共催により開催しました。
企画展示のコンセプトは「日本の原風景とインテリアシーン」です。インテリアコーディネーター(IC)資格者が、日本家具産業振興会会員企業が出品する展示ブースの空間コーディネートを手掛け、住宅4・非住宅4の8つのシーンを展開。住まい手の要望を理想の住空間へ導く専門職であるICが、住空間だけではなく、非住宅空間に対しても提案を行いました。
時間や場所にとらわれないワークスタイルは、従来から社会に浸透しつつありましたが、感染症の拡大でこのような働き方が一気に加速しました。これによって、「住宅=住む場所」「オフィス=働く場所」という定義が大きく変わろうとしています。今後、オフィスでは「緊張」のみならず「リラックス」できる機能も求められ、住宅は、「リラックス」に加えて「働く」「楽しむ」「医療・介護」等の多様な機能を果たす場となります。住宅とオフィスの定義が変化することで、住宅と非住宅のインテリアの境界が無くなりつつある中、従来おもに住宅のインテリアに携わってきたICの力が、非住宅でも大いに求められています。「ニューラグジュアリー」をキーワードに、日本を代表する家具メーカー製品のクオリティーとICの力量が存分に発揮された展示となりました。
喧噪から離れ、穏やかなひと時を堪能する贅沢──。そんな癒しのサンクチュアリを目指してコーディネートした「湖畔の別荘のインテリア」です。四季折々の光景が五感をより豊かにしてくれるような湖畔の別荘シーンを想定し、上質な家具をレイアウト。さらに、美しく織られたファブリックや、まるで工芸品のようなピアノ、アロマの香りなどで、自然に囲まれた癒しのシーンを演出しました。
ゆったりした時間の流れをインテリアで表現。和の心、おもてなし、奥ゆかしさ、優しさに着目し、「いつまでもここで過ごしたい」と思えるような、宿泊施設のインテリアシーンを作り上げました。四季の移ろいや海山の恵みを感じさせるのが、山の木々から生まれた家具。木の家具が持つ温かさと凜とした美しさで、五感がリラックスできる空間を演出しました。
昼間と夜で異なる海の表情を、インテリア空間に重ねて表現しました。空間全体から感じられるのは、一つひとつの家具の意思や個性。さらに、穏やかでありながらも常に姿を変える海や、光の動きなどをファブリックスが演出。家具の新たな一面を発見するというときめきや、いつもとは違う新鮮な気づきを、海のさまざまな表情になぞらえてデザインしました。
近年の働き方の多様化に伴い、オフィスはアイデアの構想やコミュニケーションの場へと変化し、リラックスできる空間作りが求められるようになりました。そのようなニーズを背景に、上質な木製家具を使い、住宅のような癒しとくつろぎを体現できるオフィス空間を提案。実用性と快適性を柔軟に両立する木製家具で、脱炭素やサステナブル、タイムレスといったSDGsへの貢献も目指しました。
さまざまな人が行き交う駅の喧噪の中、「ホッとくつろげる場所」として利用できるラウンジ。空間をホワイトゾーンとブラックゾーンに分け、ソファを効果的に配置。入口付近のホワイトゾーンは明るく開放的に、奥のブラックゾーンは改まった話ができるような半個室という意味合いを持たせました。また、柔らかな間仕切りを兼ねた観葉植物で、精神的な癒し効果を表現しました。
「View of a big city・大都会、高層マンション上層階のインテリアシーン」をコンセプトに提案する、ハイエンドなインテリアを楽しむ暮らし。東京の夜景から連想される鉄・ガラス・コンクリートといった無機物と好対照を成す、有機的な形状・質感を持つ木製家具を中心にセレクト。木やタイル、真鍮、和紙という多彩な質感が交錯するインテリアを通じて、混沌としつつも調和した東京という都市を表現しました。
「大自然を臨めるオフィスシーン」をテーマにデザイン。壁面は深いグリーンとし、フロアタイルと左右天井のレースで視覚的にゾーニングしました。家具はオフィスファニチャーとしてフォーマルな空間にも合う、ブラックで統一したモダンなコーディネートに。左右対称的な家具構成とし、中央に象徴的な家具とラグを配置することで、異なるシーンを演出しました。
「窓から見える景色と共に1日を過ごすインテリア」をコンセプトに作り上げた、生活に寄り添う住空間。ゆっくりと過ごす時間を肯定するような家具に囲まれた暮らしをイメージしてコーディネートしました。朝・昼・夜のシーンに合わせて空間をゆるやかに3分割し、時間の流れを表現。無垢材の質感を活かした家具を中心に色のトーンを揃えたことで、個性的なデザインに統一感を持たせ、華やかさと落ちつきを両立しました。